戦略的連携を行う際には、「自社内での実施の範囲」「構築された企業問ネットワークの中での自社のポジション決め」「連携企業とのアライアンス関係のマネジメント」という3つの重要な課題があります。ここでは、その3つの課題の解決について考えていきましょう。
まずは「自社内での実施の範囲」、つまり何を自社で行い、何を外部企業に委託するのかということについて考えます。企業内部で開発・製造すべき部品を選択する基準として、
①その部品がもたらす付加価値が大きいかどうか、
②部品の供給企業数が多いかどうか、
③他の部品とどの程度相互依存性を持つのか、あるいは設計特性が標準化されているかどうか、
という三点があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①その部品がもたらす付加価値が大きいかどうか
一般的に、部品のもたらす付加価値が大きい場合は、自社内部で開発・製造を行ったほうがよいといえるでしょう。その付加価値とは顧客にとっての価値であり、顧客の主要購買決定要因になるような重大な部品に関しては自社で行うのが利策といえるでしょう。また、部品技術が自社の強みを活かした中核的な技術である場合も、自社で行うべきだといえます。
さらに将来的に技術の発展性・応用性が高いと考えられる場合は、自社で行うべきだといえます。これらの考えは、自社が競争上の優位性を構築するためには当然の判断といえるでしょう。
②部品の供給企業数が多いかどうか
M.E.ポーターが指摘するように、競争要因のうちの一つに売り手の交渉力があります。売り手とは供給業者のことで、供給業者の交渉力が強いと自社の部品調達コストが高くなり、自社の収拾を圧迫してしまいます。売り手の交渉力が高まる要因として重要なものに、売り手が少ない場合が挙げられます。売り手が少ない場合は当然、売り手側が価格・品質・取引条件において交渉を有利に進めることができます。品質や価格の面で不満があっても、供給業者をスイッチすることができないわけです。そのため、部品供給企業が少ない場合は、自社で開発・製造を行ったほうが得策といえるでしょう。
逆に、自社が産業バリューチェーンの中で供給業者に該当する場合は立場が反対になり、自社が売り手となります。その場合は、前述のこととまったく逆のことを考えればよく、自社しか供給することができない部品を開発・製造する場合は、外部に委託せずに自社で行うべきだといえます。なぜなら、それによって自社の売り手の交渉力を増大させ、できるだけ有利に販売を展開できるからです。
③他の部品とどの程度相互依存性を持つのか、設計特性が標準化されているかどうか
これは部品の設計特性に関係する項目です。他の部品と相互依存性が尚い場合や標準化されていない場合は、自社で開発・製造を行ったほうがよいでしょう。一方、標準化されている場合は、他の企業もその部品を購入する場合が多いため、規模の経済効果によりコストを低く抑えることができます。よって、外部委託したほうが得策といえるでしょう。
