複数の特許権者が、権利を受託者または第三者に移転し、プール化したものをパテントプールという。
権利を受託した者は、プールされた他の特許の実施許諾を受けることができる。
パテントプールの代表例はMPEG-2(Moving Picture Expert Group-2)である。MPEG-2は動画の圧縮技術の国際的な規格である。映像圧縮技術には関連技術が多く、構成するそれぞれの技術の特許権が、それぞれ別に行使されるとすれば、映像圧縮技術の実施権者は膨大な手続きをする必要があり、事実上利用はできなくなってしまう。代表的な非共有地(アンチコモンズ)の悲劇の事例となってしまう。そこで、1994年にMPEG-2の動画圧縮に関する特許を持つ特許権者を日米欧の9機関(Columbia University、SONY、富士通、松下電器、Lucent Technologies、General Instulment、Scientific Atlanta、Philips)に指定した。そして、1996年にはこれらの機関が共同して特許管理組織(MPEG Licensing Administrator, LLC(MPEG-LA))を設立し、動画圧縮技術に関する特許権を集約した。1997年からは、MPEG-2の必須特許の一括ライセンス供与を開始した。必須特許の一括ライセンスは非排他的に同一条件でライセンシーに供与される。これによって、貴重な資源が過少に使用されるというアンチコモンズの悲劇を避けることができた。